もうひとつのドア

そいえば月村さんって
全部高校生が絡むのかな･･･？
花丸の作品はわからないけど；
いや、レジーデージーとかは違いましたね。
でもおっさん同士はないですねー。

自分は高校生同士も好きだし
当然大人×高校生も好きです。
もう少し上の世代になるとやはり大人×高校生が人気なのかな。

この本はかなり良かったです。

もうひとつのドア (新書館ディアプラス文庫) 月村 奎 Amazonで詳しく見る by G-Tools ☆☆☆☆（４・５）

―きみはこれからきっと幸せになれる。生きる希望もなく、不幸に慣らされていた広海にそう言ってくれたのは、大きくてあたたかい手を持つ、三夜沢だった…。理不尽な借金に追われる十七歳の広海は、バイト先に客として現れた少女とその父親・三夜沢と知り合う。娘に冷たく見えた男にはじめは反発を覚えるものの、いつしか三夜沢の不器用なやさしさに惹かれ…。

切ない作品ですよね。
なんといっても広海の境遇
そしてその境遇が故の性格に泣けてきました。
言っちゃえば、不幸受なんですが、あざとさがない。
この辺の書き方がすっごくうまいなと思います。

人間不信といいますか
人を信じ切れず･･･そしてどうしても逃げてしまうんですよね。
信じるという行為から。何でも悪く考えてしまうのが悲しくって。
恋愛から広い意味で･･･広海が変わっていく姿は本当に好き。
個人的には隣人の柳瀬さんがすごくいい味出していると思うのですが･･･!!
お金を返しにくるシーンが本当に好き。もう少しこの人を見たかったな～。
こういう性善説っぽい描写がさらっと描かれているのが
この作品がすごく感動する要因なんでしょうねえ。


全体的に暗いトーンですが、攻めの子供の美生が可愛くって。鬱にはなりません。
透明感もありますよねん。やっぱ自分は恋をしていく過程が好きなんだなぁ。
朝チュンバンザイです･･･!!

三夜沢さんも不器用だけど素敵なおじさまでした。
きみの処方箋の伯父さんもこんな感じだったっけ。
この人も不幸な境遇なんだよなーなんて感慨深く思ったり。
靴を買ってあげるところとかが好き。実はヤサシイっていいなぁ。自分も目指そうかな。

ラストはかなり感動しました。
人の優しさ？を知った広海にもうキュンときて感涙。
不幸な少年の成長物語とみても面白いかな～。
設定が昼ドラ系だよな～。月村さんって。

より一層月村さんが好きになったのでした。
黒江さんの絵も美しくって良かったです。