杉原理生『恋の記憶』

杉原さんは今年の仕事量すごいですね。
今年4冊目？
専業になったわけでもなさそうだけど。
中でもスローリズムは高く評価されているみたいですね。
自分はあんまし好きくなかったりするのですが^^;

今年出た中では
これが1番好きでした。
杉原独特のリズムが抵抗なく読めました。

自分の今年の杉原本の評価は
恋の記憶>>硝子の花束>>>>３７℃>>スローリズム
って感じ。
いやでも外れはなかったです。
杉原さんの文章自体が結構独特なので
１つダメだったら全部ダメではありそうですが
ほとんどハズレがないっていうのは貴重な作家さんだな～と思います。

恋の記憶 (SHYノベルズ) 山田 ユギ 大洋図書 2008-12-11 by G-Tools ☆☆☆☆

「淋しいだけじゃ、俺はひとを好きにならないよ」姉の結婚式の日、理也は数年ぶりに従兄弟の高成と再会した。高校にあがるまで、ふたりはとても仲のよい従兄弟同士であり、理也にとって高成といる空間はひどく居心地のいいものだった。けれど、ふたりの間にはなにか曖昧なものが忍びこみ、いつしか距離を置くようになっていたのだ…結婚式の夜をきったけに再び一緒の時間を過ごすようになったふたりだが、曖昧だったなにかが露になってゆき。

椎崎さんだったら
タイトルは直球で「従兄弟同士」にするのかなーなーんて。
なんとなく風味が椎崎さんテイストだなと思いました！

派手な展開や事件は起きないです。
でも、杉原さんの体言止めが多い文章を堪能できるっていう意味では
これくらいがいいなーなんて思ったり。
かりんこさんのところの感想で納得したのですが
「なんか好き･･･!!」って感じでこの良さを伝えるのは難しい。。
すごくたんたんと進んでいく感じとか･･･??
カップルの雰囲気とかかなー。ユギさんの絵はマッチしていました。

特に葛藤があるわけでもないのにね。
杉原本はあんまり葛藤が描かれませんよね。
あ、攻めの高成は超良い男です!!
すごく好きだったな～。なんか身近にいそうないい男なんです。
「引く」という決断にはちょっと胸がドキドキ。

読み終わったとき
「ああ･･･良かったなあ」と幸せな気分になれる感じの本です。
ページ数も長すぎずで丁度良い。


いやーでももっと姉がウザくなってくると思ったーよ。
しっかし「気付いている」って怖いですね。。
家族ってやっぱりわかるもんなのかな。