渡海奈穂『手を伸ばして目を閉じないで』

渡海さんは刊行ペースが早いですよね～。
かなりの速筆なんでしょうか。
でも一定のクォリティを保っているのはさすがだなーと思います。

そして先月の新刊もかなーり好みでした。
いいですねー野球。
どうみても「汗と涙の年下攻青春ラブ♪」ではありませんけど（＝＝；

手を伸ばして目を閉じないで (ディアプラス文庫) (新書館ディアプラス文庫) 松本 ミーコハウス 新書館 2008-11-10 by G-Tools ☆☆☆(3．5）

将来有望な投手だった樋崎は、事故で再起不能になり、以来、無気力な日々を過ごしていた。
ある日バイト先で後輩の明石と再会する。
樋崎に憧れていたという明石は大学リーグで活躍する現役の投手。
樋崎は冷たくあしらうが、明石は怯まず声をかけてくる。
だが頑なな樋崎の態度に明石の行動もエスカレート。
強引にキスをし、肌に触れてくる。
それでも適当に流そうとする樋崎に明石は・・・・・・？
汗と涙の年下攻青春ラブ♪

甲子園がかかる夏の大会の決勝の直前に交通事故に遭い
野球ができなくなってしまった･･･という受けです。
そして樋崎が本当に無気力で。かなりはらはら。

でも、単なる不幸モノでは終わっていないのがよかったです。

いくら先輩後輩とはいえ
その後輩も、今ではエース。
ピッチャー×元ピッチャーって萌です。
自分は傲慢な年下攻めは苦手なんですが
今回の明石（攻めね）はむしろ萌えました。
こんの生意気なー!!って思うシーンはかなりあったんですけどね。
あ、でも基本礼儀正しくて素敵です。

渡海さん自身が体育畑にいたからなのかもしれませんが
樋崎の野球に賭ける思いには終始ウルウルきてしまいました。
そしてそのやるせなさを葛藤しながらも
明石を通して乗り越えていく姿がとってもよかった～！

そして、結構無理矢理っぽいところから
行為シーンも始まるのですが
これもなんだか変わった味付けがあって楽しかったです。
合宿で抜きあいっことか･･･フィクションだよね･･･??

「抵抗しても敵わないから･･･」とすぐに諦める樋崎なんですが
その裏にある気持ちにちょっとキュンときたり。


でもね･･･
1番好きなシーンはかつての仲間たちとの絡みです。
これは本当に良かった。そしてちょっと困る樋崎が可愛くってもう。
あ、あと書き下ろしの樋崎の投げかけた言葉もグッときました。


ディアプラスにしては
最初のトーンが暗いかな？とちょっと思ったのですが
終盤は、汗と涙の青春要素がありました。
爽やかさも味わえて大満足です。

野球少年とか無気力とかが好きな人には間違いなくオススメでっす。


ただ･･･イラストはちょっと可愛すぎると思う。。
松本ミーコハウスさんは初読みだったのですが
なんだかモノクロ絵が鳩に似ているように見えたよーな。

でも、アマゾンのレビューで言われているほどではないですよ。